以前、群馬で行われた『学び合い』の会を主催されていた方々の実践を見に、群馬県へ再訪。
午前と午後で異なる小学校に訪問させていただきました。
午前中には、6年生の社会科の『学び合い』の実践を3時間見させていただきました。
6年生の各クラスごとに雰囲気が異なっている。1、2、3組と見せていただきましたが、それぞれのクラスのあじが出ているような感覚。
けれど、先生の立ち居振る舞いは変わらずといった感じでした。
どの授業もセオリーに近い形での『学び合い』だったと思いますが、少し違っているところも。
例えば、最初の語りがなく雑談のようなところから入るスタイルだったり、ノート指導とまではいかないけれど、ノートのテンプレートは板書してあったり。
そんな感じだったと思います。
最初のクラスは、学び方が一番多様だったクラスのように感じました。
無難に教科書や資料集を使うだけでなく、タブレットを使って検索している子供達もいました。
一番驚いたのは、国語辞典を持って学習しているグループが出来上がった各グループに一人はいるという様子。
後のクラスにもそういった光景が見られるのですが、何を調べているのかなぁと思ってのぞいてみると。
もちろん、今回の学習に関係する意味を調べている人も多くいます。、
でも、それだけじゃなくて、社会の教科書に書いてある、重要語句と一切関係ない単語を調べている子供達も多くいる。
後から伺った話ですが、子供達が教科書を読んでいてわからないと感じる部分は、重要語句などの単語だけでなく、教科書に載っている言葉、
例えば、社会科なら「土木ってなんだ?」とか、「抵抗するってなんだ?」
こういう感じで、言葉に詰まってなかなか理解できない。
そこを克服してくれるのが、国語辞典というわけです。
すごいなぁと思います。
それに、辞典やタブレットを使っている生徒は、班に大体1人くらい。
みんながみんな使う必要はない、誰かが調べて共有すればいいっていう思考に自然になっているのはすごいなぁと思いました。
二番目に参観したクラスでは、改めて特別支援ってなんだろう?と感じさせられるような、そんな感覚でした。
詳しく書けば、個人情報になってしまうので控えますが。
特別支援学級に通う子どもとそうでない子供達。
その間にある、嫌な空気感。
子供達は気づいている。
だからか、やけに子供達と目があう。
先生が、新しくきた大人が。
どんな態度でいるのか、どんな対応をするのか、見定めているように感じました。
特別支援という名前が壁を作るのか。
関わりに行こうとする子供達も中にはいて。
でもそれを拒絶するような様子も。
どうしたら良いのか、私にはまだ答えが見えない問いが生まれたような気がしました。
三番目のクラスでは、なんかもう、すごかったです。
20分休みを経て、学級に入ったのですが。
もうすでに学び合ってる!
黒板にも、なぜだか板書されていて。
どうやら、他のクラスの板書を見て、今日の学習内容を理解し、それを写したようで。
先生が来る前から、もう始めている。なんだそれ。
とてもパワフルな学級で、見ていて圧倒されました。
改めて、子供達が有能であるということを理解しました。
午前中の授業を参観して。
まず、先生自身がとても楽しそうだったのが印象的でした。
先生は、時折子どもたちの学習状況を聞いたり、一緒に話して盛り上がることはありましたが、それ以外は私たちと子どもたちのことについて楽しくお話ししていました。
また、それを映すように、子供達が学んでいる姿も非常に楽しそうでした。
教科書など、わからないところを自分や友人の知識に結びつけながら、
時にはわからないことを調べながら学習するスタイルは、きっと楽しいんだろうなぁと感じていました。
授業が終わった後は、実践された先生に質問する時間がありました。
ノート指導についても、やはりテンプレートがあるようで。
メモの欄を自由に『学び合い』で知った知識で埋めていい、
振り返りやまとめは、人の力でなく自分の力で、自分の言葉でまとめる。
そんな話を聞きました。だからあの黒板なのか!と納得。
ノートとリンクしていたんです。
後は、テストのことについて聞いたり。宿題について聞いたり。
基本宿題はなく、テキスト等も持ち帰らないそうで。
ではテストはどうするんです?と聞いたら、大体テスト前に1時間用意してそこで勉強。
平均90くらい。
え、90!?
子供達家で勉強してないのに?
という感じでした。
友達と学習すること、自分の言葉で言語化し、理解する、落とし込むこと。
直前の1時間でそれを思い出す。
そうすることで、子供達の中に残る知識になっているのかなぁなんてことを考えます。
それに、もっと知りたかったらきっと家で調べてくるんだろうなぁということも。
そんな具合で、子供達が学ぶ姿がとても楽しそうだったのが印象的でした。
午後は、また異なる小学校での実践を見に行かせていただきました。
次は小学校2年生の算数と生活科。
私自身、実習中には2年生を担当させていただき、算数の時間に『学び合い』をさせていただきました。それと比較しながら授業を見ることができたのが非常に良い経験になりました。
子供のわちゃわちゃ感はこちらのクラスが上で笑
最初は緊張していたようで、個人で学習を進めている姿が多く見られたのですが、時間が経過していく中で、子供達が机をくっつけながら、みんなで学習に取り組む様子が印象的でした。
学習内容の答えがわからない子は「先生〜」という声をあげる子もいたり。
答えを写したりしようとする子もいたり。
けれど、そんな子に対して、「答えを写すのはダメだよ」と言える子供達がいることで、
学習が成立している様子が伝わってきました。
学級が、一つの社会の模様をしていたように思います。
できる人は、個人でドリルと戦い。
普通の人は、集団でドリルと戦う。
苦手な子は、個人でドリルと戦っていて。
そんな個人を助ける誰かがいるといった関係性だったように思います。
低学年ということもあり、男女関係なく交流をしていたり。
改めて、『学び合い』に限った話ではないですが、どこまでも子供達・学級の様子は担任の先生を映し出すなぁと。
実は、意外にも『学び合い』の実践を見るのはこれが初めててで。
両者に共通していたことは、やはり教師、子供共に楽しそうに授業をしているといったところでした。
自分のやっていきたい『学び合い』ってどんなだろうなぁとイメージしながら参観しました。
実際、県外に出て、学校を見て回ることでわかることがいくつもありました。
その地域ならではの号令だったり、設備だったり。
そして、その人の温かさや、実際の『』の実践。
リアルで見てみなくてはわからないなぁと感じることばかりでした。
それに、まだ自分は工業化社会のコード、今までの教育の枠組みにとらわれていることにも気付き。
来年度一年。
自分がこれからやっていく教員としての像の確立。
様々な実践者の方の授業を見たり、お話を聞くことを通して自分の『学び合い』に対する考え方を深めること。
そういった軸で、もっと動いていきたいなと考えさせられた一日でした。
参観させていただいた2校の小学校の皆様、実践者の方々。また機会をくださった院生の方々。
本当にありがとうございました。