読書感想文が昔から苦手で、上手くまとめることができません。
しかし、とても面白かった。
理系、ミステリ、天才といったワードに引き寄せられて、またタイトルから読むことを決意しました。
天才といっても、登場人物すべてが天才であり、個性がある。
それぞれに対する感情や考え方が、読み進めるごとに変化していきました。
ラストでは怒涛の展開。予想の上の上の結末であり、最後は一気読みしてしまいました。
「人間は、死んでいることが通常であり、生きていることこそ異常、病気である。
病気が治った時に、生命も消える。」
死生観に関して、こういった見方もできるのか、と学ぶことも。しっかりとこう考える理論も作中では展開されていましたし、読み進めることでその人の行動原理に関わってくる部分だなと感じます。
また、理系ミステリということもあり、すべてがFになるというタイトル回収では、バリバリの理系内容もありました。
理系でよかったなとしみじみ感じます。
正直、今まで読書というのをたくさんやってきたわけではありません。
小学校では読書が大嫌いで、ずっと図書館で本を借りるなら、ウォーリーを探せみたいな遊び本を読んで(?)いました。
中学校では、アニメや漫画が好きなこともあり、友人から紹介されてライトノベルなんかも読むことがありました。
それでも、やっと高校から少し読書することが度々。
大学に入って、教育系の本をたくさん読んでいく中で、読書の楽しみや本から学ぶということについて分かってきました。
ここにきて、小説。最近は、伊坂幸太郎さんの『逆ソクラテス』なんかも読んでみて。
小説って、娯楽として単純に面白いだけでなく、当たり前に頭を使って考えさせられるし、時にはその人の人生、その期間を体験したような気持にもなれる。
それは自分の人生の価値観に通ずるところがあったり、新しく視野を広げることにつながったり。
読書の楽しさを理解したのが遅かったなぁ、小学校の時からそうであれば時間がたくさんあったのに。と感じたり、まだこれから人生長いし、もっと読んで、学んで、読書を好きになるぞ!という気持ちが湧いてきたり。
そのきっかけになった本であり、出合えてよかった一冊だなと思います。