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学習発表会まで三週間を切った。
教員になる前から考えていたこと。
そういった発表会では、極力口を出したくない、ということだった。
子ども集団の有能さを信じ、任せる。
必要があれば、その時に伝え語り、学びを増やす。
そのスタンスでいようと思った。
しかし、ずっと黙認し続けるのもなかなか非常に難しいものだ。
今日は、5分だけ割って入ってしまった。
当然、こちらにはすでにシナリオがあるため、それを納得させるための理由もいくつも考えてある。
またその思考に促すための話の流れや持っていき方も知っている。
だから。結局自分の思考の通りに進めようとしてしまった。
『待つ』とは、これほど難しいことなのか。
自分が数秒程度で考えつく発表のシナリオ。
そこに辿り着くまでに、集団での話し合いは2時間以上かかっている。
だが、それで良い、と思う自分もいる。
教員に指示されて作り上げられたものなど、子供達にとってあまり意味を持たない。
そこで何を考え、どう行動したかこそ大切。
そして、もしそれを、教員の意図どうこうを超えて、自分たちで作り上げて行った時の達成感は、非常に素晴らしいものだと知っている。
だからこそ、口を挟んだのは5分。
でも、彼らは的確に理解した。
そして、次の時間には結局、私の考えを少し上回る代案を考えてきた。
面白い。
テーマが決まり、流れも決まった。
ここからは、班で作り上げていく時間だ。
正直、どんなシナリオになるのかは予想がつかない。
作ろうと思えば作れるだろうが、意図してそこを考えない。
彼らが、どういうものを作るのか見たい。
自分の思考の外側を打ち出された時に、笑みが溢れる。
さて、何も考えていなかったが明日はフリー参観日。
保護者の方々には、いつもの授業を見てもらいつつ。
もう一つの授業は保護者の方にも参加していただくものだ。
子供達が作った新聞の凄さを、ぜひ見て、たくさんコメントをいただきたい。
こちらはいつも通りにやるだけですが。